やわらかエモーション

いろんな作品を見た感想や考えたことをゆるっと記録したい

ガンダムSEEDのオタクが『ガンダムSEED FREEDOM』公開前日に書いた日記

 

劇場版『ガンダムSEED FREEDOM』の公開が迫ってます。

私は最速上映で観させていただくので、公開まであと26時間くらいのときにこれを書いています。なんでもかんでも後回しにする性格だからこんなギリギリになってから書いてるよ……。今日私の頭の中にある考えを書いておかないといけないと思うので、書いておきます。

 

 

私にとってのガンダムSEEDガンダムSEEDは…人生かな?

っていうと、「クラナドは人生」かよという感じですが(「クラナドは人生」は、主人公の人生を描くような尊いゲームだよ!ということを言いたいんだと思いますが、違ったらすみません)、ガンダムSEEDシリーズは、私にとっては人生の3分の2くらいの時間をかけて推し続けた作品です。

 

去年、劇場版のほんとにほんとの公開が決まった日は、夫と一緒にゲームしてたけどTwitterを見た私がゲームをできるような状態じゃなくなってしまい、夫を心配させてしまったくらいだった。その翌日、用事があって外出してカフェでお茶してて、街の人たちが普通に何事もなかったように生活してるのを見て、「あ、ガンダムSEEDの劇場版の公開が決まってこんなにおかしくなってるのはこの場では私だけなんだ」ってちょっと冷静になったのを覚えてる。

20年近くも経ったら私も結婚しちゃったよ….。大学受験のときも、就活のときも、つらいときに前を向かせてくれたのはガンダムSEEDの楽曲たちでした。就活のときは特に『Realize』を聴いて、やるぞ!!という心のスイッチをオンにしてたのを覚えてます。

 

ガンダムSEEDのことを考えると、私の体中で血が沸き立つような、アドレナリンが出てるんだと思う。心臓に機械を入れられて、アドレナリンを出しっぱなしにしないと死んじゃう男の映画『アドレナリン』(ステ様のやつ)があるけど、私の場合はガンダムSEEDを見せてくれれば生き延びられると思う。特にSEEDの『決意の砲火』以降を見せてくれれば確実にアドレナリンが出る。推しのシャニ・アンドラスくんのことを考えると、体温が上がってるのがわかる。

当時は「推し」という言葉はなかったけど、シャニくん(キモオタなので、キャラクターをくん付けで呼ぶのを許してください)を初めて見たときのドキドキはマジで忘れられない。人生で一番の推しです。

最近の異世界転生作品とか、好きな小説の世界に転生しちゃう作品がありますけど、私が転生したらきっとガンダムSEEDの世界に行けると思う。(それでもしドミニオンのクルーに転生したとしても、何もできずにクルーゼのドラグーンでフレイと一緒にしぬモブになると思う。)

 

最近テレビシリーズを見返して、なぜこんなにガンダムSEEDという物語が好きなのか?なぜこんなにこの物語に惹かれるのか?を考えてみた。

もちろん、シャニくんという最愛の推しがいるというのも理由の一つだけど、シャニくん以外で理由を考えてみたので書きます。

まず、登場人物たちが苦悩しながら生きている姿が好き。悩んで悩んで間違うこともあるけど、全部の過去を背負って生きていくような…。そこに人間関係のドラマがあって、キャラクターたちが人生を通じて私たちに大事なことを伝えようとしてるという、それにとても感動する。

抽象的なセリフが多いのも好き。抽象的でシンプルなことを言っているけど、その言葉のなかにたくさん意味が込められていて、キャラクターの心の中で伝えたいことが感じられるというか、そのセリフを聞いてどう感じるか?どう解釈するか?あなたはどう思う?って問いかけてくるような、そんなセリフが多くて大好きです。

特に好きなセリフは、ラクスの「でも、あなたがやさしいのは、あなただからでしょう?」です。悩んで苦しんでいたキラはラクスのこの言葉でとても救われたんだと思う。コーディネーター・ナチュラルという世界を二分する属性ではなくて、キラの「個人」としての優しさをラクスは見抜いてキラに気づかせてくれたんだと思う。ラクスが、自分に銃を向けるアスランに対して「敵だというのなら、わたくしを撃ちますか?ザフトアスラン・ザラ」と言い放ってアスランに詰め寄り、アスランが気圧されるシーンも大好き。「ザフトの」アスランではなくて、アスランの「個人」としての思考や気持ちを大事にしないといけないんじゃない?とラクスは伝えたくて、これはアスランがシンに言った「お前は本当は何が欲しかったんだ!」というセリフに繋がってると思う。シンはその強い力をデュランダルに利用されて、デュランダルやレイが語る理想の世界が正しいと信じ込んでしまった、というかシンの個人の思考としてどう思うか?どう感じるか?本当にオーブを撃つのが正しいのか?という問いかけがシンの中になかったのかな、と思う。アスラン、そのセリフはもっと早くシンに言ってあげて!もっと早くシンに気づかせてあげてほしかったよ…。と思う、が、(フリーダムにやられるなんてアスランも大したことねーな)ってシンになめられちゃってたのだろうから仕方ない。…という、あの時こうすればよかったのに!という過去への後悔は、先に進み続けるしかない人生では取り消すことができなくて、それでも人生は続くよ…Life goes on……

 

……語りすぎちゃった。とにかくガンダムSEEDが好きなんだ!理由を説明しろと言われても、どこが好きなのか、魅力を語ることしかできない!と思いました。

 

シャニくんとブーステッドマン3人組(もちろんオルガとクロトも大好きだよ!!)の魅力についても語りたいけど、劇場版の公開前に書き終わる気がしないので、また今度書きます。

 

……本当に劇場版の公開って明日なの?ほんとに?夢じゃない??

映画を観に行くだけなのに超絶緊張してきた…………

 

とりとめもなく書いちゃったけど、公開前日に書いた日記としては以上!

 

 

 

 

 

 

 

『八月の母』感想 母性というものについて考えた

早見和真さんの『八月の母』を読みました。

 

八月は母の匂いがする。
八月は、血の匂いがする。

 

 

 

私が美容院でたまたま読んでいた雑誌の「今月の一冊」みたいなコーナで、作者さんのコメントが載っていたのが目に留まりました。
「母性はすばらしく価値あるものであり、そして母性は女性に生まれながらにして備わっているものである、という考えは男性が女性に押しつけてきたものではないか」
という内容のことを、男性である作者さんがおっしゃっていたのが印象に残りました。
どうしても読まないといけない気がして読みはじめて、読み終わった後もずっと頭の隅でこの物語のことを考えています。私にとってはそれほどに衝撃的であり、なぜか惹きつけられる物語でした。

 

 

以下、ストーリーのネタバレを含む感想です。


『八月の母』は実在する事件をモデルにしたフィクション作品だそうです。今回私の感想はあくまでフィクションとしての物語について考えたものになります。

 

 

男尊女卑の社会、不平等な社会

『八月の母』では、男尊女卑の価値観に苦しめられる女性たちの姿が多くのシーンで描かれていた。
美智子の父親はまさしく、男は女よりも無条件に偉いので偉そうに振る舞っても良い、という考え方を体現しているようだった。そのような男の振る舞いに対して、表面的に反発することのなかった美智子の祖母と美智子の母の態度は、男尊女卑を抱えた社会のあり方に疑問を抱くことなく、「そういうもの」として受け入れているように見える。(このような男尊女卑を許容する男と女の態度について、この社会を脱出して東京に出た外からの視点である紘子の兄が指摘していた。)
美智子もまた、女は男に泣かされるようにこの世界はできているのだから、男に立ち向かうだけ無駄なのだ、という考え方を内面化して生きている。男たちが紘子を性的な話題で笑いものにし、紘子が男たちに反論しようとしたのを止めた美智子の言葉に表れている。


「……結局最後は泣かされるんよ。もうそういうふうにできとんのよ、男と女って。こいつらは逃げられるんやもん。勝手に欲情して、出すもん出したら、あとはもう知らん顔できる生き物なんよ。重いもん背負わされるのはいつも女の方や。そんなん最初からフェアやない。フェアやないケンカならせん方がマシ。なんか間違ったこと言うとる?」


悲しいことに、美智子の言いたいことに確かに私も共感してしまう。性行為は男と女が対等な立場で向き合うものであるはずなのに、妊娠するのは女の方で、望まない妊娠による中絶で身体を痛める大きなリスクを背負わされるのは女だけ。その事実に、私もどうしようもなく不平等だと感じるし、こういう悲しみを男性に分かってもらうのは難しいんだろうな、という諦めたくなる気持ちもある。
紘子は美智子の言葉に対して瞬時に言い返すことができず、悔しくて仕方がなかった、そしてなぜかエリカを汚された気持ちになった、と描写されている。私もこのシーンを読んでいてなぜかとても悲しくなった。もし私が美智子に言い返すとしたら、何を言えるだろうと考えた。
まず、美智子は、男に対してどんなに無力感を抱いていたとしても、紘子が男たちに立ち向かうのを止めてはいけなかったと思う。美智子は紘子の味方になるような言動をすべきだったと思う。こんなに不平等な世界なのだから、せめて女同士で結託して、失礼なことを抜かす男たちに立ち向かうくらいはしてもいいんじゃないかと私は思う。そのやり方としては、先に述べた不平等な事実を男たちに対して説き、その不平等さを理解して行動を改めてくれる男性を少しでも増やせたらいいんじゃないかな、と思った。
別のシーンでも、性差による不平等が描かれていた。紘子は、避妊は女の役目だと言って避妊具を持たせてくれたエリカに反発したい気持ちを持っていた。「男こそが避妊の役目を負うべきだ」と考える紘子の気持ちはすごくわかるし、私もそう思う。でも現状としてはすべての男性が避妊の責任をきちんと果たしてくれるわけではなく、女性は自分の身を守るために自衛することを余儀なくされている。(これは私の個人的体験にも基づいた考えでもある……)こういった現状を改善するためにも、男性たちに身体的な不平等を理解してもらって、男女でお互いに性について不満なく関係を持てるようになればいいなと思う。

 

男女間の格差

作中では男女間の格差についても描かれていた。
美智子の母は、夫を亡くした後経済力を奪われた女性が男性にすがる道しか選べなかった姿として描かれている。その後美智子は母親の交際相手からの性暴力を受け、母親は娘が交際相手からの性的な視線に晒されることに対して嫉妬し娘に敵愾心を抱いていた、という痛ましい筋道を辿る。
これは物語の中だけで起きている話ではなくて、美智子と同じ境遇の女性たちがたくさんいることを思うと本当に胸が痛い。日本における男女間の賃金格差が大きいことはさまざまな統計で示されている通りだが、この格差がなくならない限りはこのような女性たちの苦しみを取り除くことはできないと思った。
また、エリカの小学校の担任教師である村上とエリカの会話で、勉強することの意味を説いた村上に対し、エリカは美智子から、「女の子は勉強しなくていい、男に愛され続けるのが女の幸せ」と教えられたことを話した。
村上は、エリカ本人や美智子だけでなく、「その先の、さらに先から連綿と続く女たちの長い物語を感じずにはいられなかった」と書かれている。
ここで述べられている「女の子は勉強しなくていい」という考え方は、男女間の賃金格差を固定することに寄与しているのではないかと思う。(そういった考え方を持って生きている人たちの人生を否定する意図はない。)
経済的自立の難しい女性たちは家庭内に閉じ込められることになり、逃げられなくなってしまう。そのような事態になって誰が得をするのか?と考えたとき、女性たちに家事や育児を押し付けておきたい、そうしておいたほうが都合の良い男たちがいるのだと思う。
そしてその男たちにとっては、「母性」というのは都合良く使えるワードなのだと思う。作中で香織が指摘した通りである。


母性というものについて

作中では、複数の登場人物が母性について語っている。
村上は、母性は母親になってはじめて得るものではなく、女は母性を生まれながらにして身につけているのだと言う。
これは村上自身が少女に対し欲望を抱いてしまうことを都合良く正当化するための言説でしかない。私はこの考え方を否定したい。

香織の考えは以下のようにまとめられる。
母性は男によって価値あるものだと洗脳され、女たちにすり込まれたもの。大人にならないまま母親になった女が、「持っていなくてはならない」と信じて翻弄される。母性は本能ではない。偽物の母性は子どもへの献身などは簡単に置き去りにできるし、子どもを殺すことだってある。

紘子の考えは以下の通りだ。
香織は母親に期待している。期待するから失望する、裏切られたと感じる。母親に似ているエリカにも期待している。
母性は本能である。子供を産んでいない自分にも母性は備わっている。自分の命に代えても陽向を守ることができるから。

正直、上記の3人の母性についての考え方で私が100パーセント同意できるものはない。
紘子が辿った結末は究極の献身だが、それが母性による行動だとは断定できないのではないかと思った。紘子も母性というものを過剰に評価しすぎのような気がする。紘子の行動を呼び起こしたのが本能的に備わったものだとして、それは母性とは別の、個人的な人間性のようなものと言うべきではないかと思った。その人間性によって、子どもや他人に対して自己犠牲的な行動をとることかできる人もいればできない人もいるのではないか。そこには性別も関係なくて、あくまで個人的な性質によるのではないかというのが私の考えだ。

「女は母性を生まれながらにして身につけている」という言説を私が否定したい理由は他にもある。紘子の究極の献身と比すると小さな例えではあるが、たとえば、私が飼い猫に愛情を持って接し世話をしていることに対し、「やっぱりあなたは女だから、誰かの母親じゃなくても母性を持ってるんだね」とか言われたらとても腹が立つと思う。私が飼い猫を愛するのは私だからであって、女だからではない!と言いたくなる。それに、じゃあ男はどうなんだ?私の夫もその飼い猫を愛しているが、男がペットを愛情を持って世話しているのは母性だと言わないのか?と言いたくなると思う。

そこでさらに私の頭に浮かんだのは、そもそも「母性」とか「父性」とか誰かが定義した言葉は、生物学的な性別に根ざした話ではなくて、社会的に意味付けされているだけなのではないか?という考えだ。つまり、母性や父性と言った言葉に込められた意味はジェンダーロールに紐付いていて、社会的に女や男に期待されて押し付けられたものなのではないか?と思った。(これについては私は詳しくないので、学術的にはどういう風に説明されるのか調べてみたい……)

 

 

誰かのせいにしないで、自分の人生を生きましょうというメッセージ

この物語を通じて語られていたのは、上記のメッセージだと私は思った。紘子が陽向に向けた言葉にそのまま表れていたし、エリカの育て方について自分を正当化する美智子に対して村上が心の中で語っていた言葉にも表れていた。

「自分の人生を子どもに押し付けることが正しいはずがない。自分はこう生きてきた、だからいま幸せだ。そう思うのは本人の勝手だが、だから子どもも同じように育ててればいいというわけではない。」

私は村上の母性についての考えは肯定できないが、この言葉には同意したい。自分と子どもの人生を同一視してしまう親は多くいると思うが(私の母親も部分的にせよそのような言動で私に接していたと思う)、そのような親の考え方は村上の言う通り否定されるべきだと私は思う。
美智子もエリカも自分の娘に対して、「自分がこの子を幸せにしてみせるし、この子が私を幸せにしてくれる」という思いを抱いていた。娘が自分を幸せにしてくれると考えるのは、自分で自分の人生の責任を負わずに子どもに背負わせることに繋がる。作中のラストシーンでは、陽向に金を無心するエリカに対して陽向がノーを突き付けている。ここではエリカと陽向で母娘の関係を続けずに、関係を断絶することが陽向とエリカ双方の人生にとってプラスになるのだと思った。陽向がこの選択をできたのは、紘子が伝えたかった言葉をきちんと受け止められているからなのだと思う。

結局、男も子どもも自分を幸せにはしてくれなくて、自分を幸せにできるのは自分だけなんだろうと思う。ラストシーンでエリカがそれに気付いていなかったのは悲しかったが、エリカがここから誰かのせいにせずに自分の人生を生きられることを信じたいと思った。


私と母との関係について

『八月の母』は、私と母との関係について思い起こさせる物語だった。
これは個人的な経験の話だが、私の母は教育熱心なあまり、ときに毒親的な発言をする人だったと客観的に過去を振り返って思う。紘子の母親の言葉である「お母さんをもうこれ以上悲しませないで」というのは私も同じ言葉を浴びせられたことがあるし、「お母さんのことをかわいそうだと思わないの?」とか「私たち親子はなんでこの組み合わせだったんだろう。もっと優秀な子だったら私も失望させられずに済んだし、もっと優しいお母さんだったらあなたも期待されずに済んだのにね」みたいな母からの言葉たちは今でも私の頭の中に消えずに残っている。母は世間的に優秀といわれる大学を出ているのだが、娘である私にもそれと全く同じ道を辿ってほしかったんだと思う。結果的に私は母の期待とは異なる別の道を行くことになったのだが、そのおかげで、母は私に自分の人生の続きを押し付けようとしていたんだなということに私は自力で気付くことができたと思う。そしてそういった母の過剰な期待からの言葉は間違いなく私にとって毒になる言葉だったと思うし、今でも完全に「許した」とは私は思えない。だが、母にとっては初めての子育てであり、「母親」になる前の母はいまの私と変わらぬ女性として生きていた人だったんだよな、と思うと母を「許す」という気持ちも抱けるような気がしていた。
そう、「母を許す」という思いは、『八月の母』に出会う前から私の頭の中にたしかにあった。そして私の考えと同様のことが『八月の母』では紘子の兄の言葉によって明確に表現されていて、私は本当に救われるような気持ちになった。私が自力でたどりついた「母を許す」という感情をそのまま肯定してもらったような気がした。
私の個人的な経験と、『八月の母』で表現されていたものを合わせて考えると、女は生まれながらに母性を備えているのではなく、人生の途中でたまたま子供を産んだ女が、子育ての途中で必死にもがきながら「母親」というものになっていくだけなのではないだろうかと思う。そして子どもを愛し育てられるかどうかは個人の人間性によるところが大きく、「女はみな生まれつき母性を持っているはずだ」という言葉で簡単に語るのは間違っていると思った。

 


おわりに

『八月の母』は、私が自分の母とのこれまでとこれからの関係について客観的・主観的に考えて、こうして文章にする機会を与えてくれる作品でした。

欲を言うと、上原の心情についてもっと知りたかったです。上原は美智子、エリカ、陽向、そして紘子についての顛末をどういう心情で受け止めているのかを知りたいと思いました。

本当に読んでよかったと思います。

いつか(その日が来るかわからないけど)私が子どもを産むことがあってこの作品を読み返してみたら、そのときにはまた今とは違う気付きがあるのだろうと思いました。

 

(今日は「母の日」なので、どうしてもこの日にこのブログ記事を完成させたかった。。。!)

 

 

ジャッジアイズ感想 楽しいゲームだったけどセクハラ要素が残念

『JUDGE EYES:死神の遺言』のクリア後感想です。エンディングまでのネタバレを含みます。


PS Plusのフリープレイになっていたジャッジアイズをクリアしました!


ストーリーもキャラクターも魅力的で、とても楽しめました。
一方で「セクハラだー!」と言いたくなるシーンもあって、残念に思ってます。


このゲームについて楽しかった部分と残念に思った部分について感想として書きます。

 

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ジャッジアイズの好きポイント


エンディングが最高

めちゃくちゃ尊い。このエンディングを見るためにクリアまで頑張ってよかった……。

 

自転車最強説

街でチンピラに囲まれてエンカウントバトルが始まったらとりあえず自転車探してました。自転車があればなんとかなる。

 

やたらと京浜同盟に詳しいキムさん

キムさんからメッセージが来るたびに「またか………」とテンション急降下してましたが、フレンドが増えると八神さんのピンチに駆けつけてくれるようになることに感動しました。ニート須崎強い。

 

クセつよキャラクターたち

お気に入りキャラは海藤さん、東、ツクモニート須崎、マリ姉
マリ姉もっと活躍してほしかったな……。ラ・マンがガサ入れで潰れちゃったのでマリ姉のことが心配です。
あと、さおりさんの弁護士としての活躍を見たかったです。ロストジャッジメントに期待…!

 

 


ジャッジアイズの残念ポイント


セクハラトロフィー

あるトロフィーの獲得条件が、

女性の顔と胸と尻をチェックすること

でした。
マジで最悪の気分になりました。

八神さんはセクハラしないでほしかったです。
新谷さんとの対比として、八神さんはそういうことしないほうがよかったのでは?と思います。

ゲーム内の選択肢としてその行動が用意されてるだけならまだしも(それでも十分嫌ですけど)、そのセクハラ行為の褒賞としてトロフィーを用意しておくことはやめてほしかったです。

女性目線が欠如しているというか、このゲームを楽しんでプレイしていたのに、急に「女である」ことを理由に蚊帳の外に追い出されたような疎外感がありました。
このゲームが発売されるまでに、トロフィー獲得にこの条件を課すことを誰も止めなかったのか……?と思ってしまいます。

 


ドローンレース優勝後の強風によるスカートめくり

八神さんがドローンレースで優勝したあとのシーンで、ギャラリーの女の子のミニスカートが、ドローンが通ったときの強風でめくれてしまい、それを見て鼻の下を伸ばした男が女の子にビンタされるというシーンがありました。

これもセクハラトロフィーと同じで、ドローンレース優勝のご褒美として用意されてるように思えてしまいます。
頑張って優勝した結果が、これ?という虚無感で心がスッと冷めました。というか、このシーンでスカートめくりって本当に必要だったのか?と疑問に思います。

「スカートめくりなんていまだにやってるの?ダサすぎ………」
みたいな風潮になればいいなと思ってます。
そういう世の中になるまでは、これはアウト!という声を上げていきたいです。

 


まとめ

「変態三銃士」とか言って、性犯罪をネタにして遊ぶのもどうかと思うのですが、悔しいですけど変態三銃士のクエストは面白いと思ってしまいました……次は一体どんなヤバい変態が!?って思っちゃう。フィクション要素が強いからエンタメとして楽しめてしまったのかもしれないです。

「変態王」は、犯行動機として自分の性経験の無さを語っており、その境遇に同情的な描かれ方をしていたような気がするのですが、だからと言って女に加害して良いことにはならないからな!?と思いました。

「性経験はあって当然、無いことは人生における大きな損失である」というような考え方は一般的なのかもしれないですが、一部の人を苦しめるような常識はなくなった方がいいと思うので、そういう考え方を肯定することはしたくないと思います。

しかし変態三銃士と変態王は、悪として描かれていて、八神さんに懲らしめられて全員警察のお世話になるというエンドだったので、変態行為(=女性への加害)を容認している訳ではないですね。

一方で、上述のセクハラトロフィーとドローンスカートめくりについては、それ自体が加害になるということを意識していない、もしくはその問題点を軽視しているように感じられます。

フリープレイで遊ばせてもらった分際で言えることではないかもしれませんが、このゲームのプレイヤーとしては、「セクハラ、かっこ悪い!」と言わせてもらいたいです。

 

なんかすごく真面目に語ってしまった…。

たくさん書いてしまいましたが、セクハラ要素以外はほんとに好きなゲームです。


続編のロストジャッジメントも買ったので、プレイし始めました。
ロストジャッジメントは今作みたいなセクハラ要素がなくなってることを祈ってます…!!

 

ゲーム『サイバーパンク2077』感想 レベル30以上になったので完了したサイドジョブを振り返る

サイバーパンク2077のプレイ感想です。もりもりネタバレします。

ノーマッドの女性Vさんでナイトシティ生活を始めて、はや70時間…。無限に遊んでいられるのでは?というくらい、やることが多い!楽しい!まだエンディング見れてません。

Vさんの現在のステータスはこんな感じ。

レベル33、クレド50

ストーリー状況:メインジョブ「夜想曲第15番」開始前

ステータス:肉体7、反応4、技術12、知力20、意志12

 

お気に入りのメインジョブについては、前の記事で語りました。

kznzzz.hatenablog.com

 

今回はお気に入りのサイドジョブについてだらだら語ります。

キャラクターごとにまとめてジョブタイトルを記載しています。 

 

デラマン

EPISTROPHY / 結句反復

AIタクシー、デラマンのジョブはどちらもお気に入りです。親デラマンの依頼で、親デラマンの命令に背く子デラマンを連れ戻しに行くことになります。子デラマンたちはそれぞれ意志があることをVさんは知るわけです。(私はフラミンゴが怖い子が好きです。)

DON'T LOSE YOUR MIND / 心のありか

親デラマンから電話があり、突然「タスケテ」と言われ、えっ?となりました。デラマン社に行くと、子デラマンたちが暴走して攻撃してきます。前のジョブで説得した子デラマンたちに反撃するのは心苦しいですが、クイックハック「回路ショート」させて進みました。プレイしてるとき「階段への道を探す」ところが全然わからなくて悩みました。上下する車に飛び乗って2階に行くという方法に気付くまで時間かかった…。

そして知力10で選べる選択肢「すべての人格をデラマンに統合させる」を選びました。最後にVさんがデラマンを運転して車庫を出るシーンは、デラマンの新しい人生(AI生?)のスタートという感じで、さわやかな雰囲気でとても好きです。主人公が他者の人生を変えちゃう系のストーリーが好きです。 

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デラマンのコアがあるこの部屋超かっこいい。

 

股間火吹きマン

燃える欲望

このミッション好きって言うと下ネタ好きを自白してるみたいですが…でも好き。ズボン(たぶんパンツも)履いていない男が、前屈みで股間を押さえて、なんだかものすごく痛がってるところに出くわしてしまったVさん。金は払う!と言ってとにかく痛がる男を、車でリパードクのところまで連れていってあげることなります。(いきなりカーアクションが始まって、車のスピードが遅すぎて男が諦めて車から降りてしまったり、逆にスピードの出し過ぎで通行人を跳ね飛ばしてしまったりで3回やり直しました。)

無事お医者さんに到着して男の電話番号を教えてもらうんですけど、Vさんの言葉のセンスに笑いました。股間火吹きマン!

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連絡先を「股間火吹きマン」で登録するVさん

股間火吹きマン(ジェシー)は、Vさんとの会話から彼女がいたことは分かりますが、今は独りっぽい。彼女とプレイしてたとしたら、こんなに痛がってるのに放っておかないですよね…。彼女に振られたから通りで買ったインプラントを使ってソロプレイと洒落込もうとしたら、欠陥品でめっちゃ痛い目に遭いましたと…。かわいそう!無事助けてあげたことで、後でまた登場してくれないかなーと期待してましたが、再登場しなさそうで残念です。

IoTの延長で人間の身体をもネットに繋ぐ2077年の世界では、念じれば瞬時に相手の電話に番号を送信できるっぽいですね。ほかにも報酬の送金中に目が青く光るやつ、超かっこいい。あと、Vさんもそのインプラント「ミスタースタッドのXCV/19」を使ったってことは、2077年では大人向けのインプラントは男女共通ってことですね!どんな機械なんだろう…わくわくしますね!

 

ジャッキー・ウェルズ

HEROES / 英雄たち

ジャッキーのお葬式に出席する回です。ジャッキーがどれほど他者に愛されていたかわかります。人の命が些末に扱われることの多いナイトシティで(芸能人の依頼で、死体をゴミ箱に捨てて「処理」するジョブがあります)、多くの人に愛を持って見送られる人はそうそういないのではないかと思いました。お葬式でほかの人の輪に入らずに、静かに一人で立ち尽くすミスティの姿が切ないです。

アフターライフではお酒に死して名を残した人間の名を付けますが、現世で派手に死を遂げてあの世に行き来世を迎えたい…、という2077年の時代の死生観の現れなのでしょうか。Vさんがジャッキーに最後にかけた「メジャーで会いましょ」という言葉も、ジャッキーと自分の来世(アフターライフ)に思いをはせる意味を込めているのかもしれないと思いました。

 

リバー・ウォード

I FIGHT THE LAW / 権力との闘い

ナイトシティの次期市長選候補のペラレス夫妻からの依頼で、前市長の死の真相を探る回です。ムキムキセクシー男ことリバー刑事との出会いでもあります。リバーは左目だけサイバーウェアなのも素敵です。汚職塗れで倫理観がいかれているNCPD(警察組織)の中で、リバー刑事のような真っ直ぐな人は苦労が多かろうと思われます。リバー刑事の真っ直ぐに正義の信念を貫いているところは好感が持てます。

証拠のBDを見て推理したり聞き込みしたり、探偵ものっぽい要素が多くて好きです。セキュリティソフトとか入れててもあてにならなさそうな世界ですから、ウイルス入りのBDって自衛のしようがないですよね?怖い世界だなあ。ペラレス夫妻はまた別のジョブで大変な目に遭っていることがわかります…。 

 

THE HUNT / 狩り

ナイトシティの少年連続誘拐事件、通称ピーターパン事件の被害者となったリバーの甥を捜索して助けに行く回です。逮捕されてから眠り続けている犯人に夢を見せてBD化して証拠を探すことになります。犯人の脳内を覗くという展開、鳥肌立つほど怖いんですけどドキドキして見たくなる。怖い!けど見たい!という気持ちが止まらなくなります。お気に入りです。

ちなみに、犯人の部屋で「ティンカーベル」という名前の武器(電気ショック棒)が取得できます。こういうおいおい!な部分がこのゲームの好きなところです。

 

 FOLLOWING THE RIVER / "川"を辿って

このジョブ、Vさんがすごく優しい声をしてるんです!!いつもと全然違う!

リバーがお家に招いてくれて、料理を振る舞ってくれます。普段から料理してる男アピールをしてくるリバーと、お喋りしながら料理を手伝うVさん…幸せオーラが眩しいー!!夕食中もリバーの家族からの「お前ら早よ付き合え」感が凄いので笑っちゃいます。夕食後、眺めのいい場所に移動して語らう二人。Vさんの元彼エピソードが3種類聞けます。そしてキッス!からの朝チュン!見てるこっちが恥ずかしくなるよー!朝チュン後、なんとリバーにもらった服を着てるんですよね、Vさん…!リバーのパソコンをこっそり見ると、はじめての料理レシピ!みたいなファイルがあったりして、昨日のリバーは料理し馴れてる風男を演じていたことがわかります。かわいいー。あとリバーの部屋にはロマンチックな感じの小説のチップがありました。Vさんのためにロマンスについて勉強したのかな?と思います。かわいい。

そしてリバーの部屋から廊下に出ると、ジョニーが「まさかサツとヤることになるとは…」と項垂れてました。ごめんて。Vさんとジョニーの性別が違うとお互いの苦労が余計に増えそう…。

このジョブを終えたあと、リバーの家がマップ上で「ナイトシティの自室」と表示されるのに、ベッドで寝られないのは仕様なのですかね??それはさておき、ずーっとニヤニヤしながら見ていられるジョブです。お気に入り。

 

ブレンダン

I CAN SEE CLEARLY NOW / 視界良好

COIN OPERATED BOY / からくり少年

お喋りが上手なブレンダンという飲み物のSCSM(自立型欲求充足機)と交流するジョブです。ブレンダンは好みにあわせて飲み物を提案してくれるだけでなく、ジョークを披露してくれて、街の人の悩み相談にも乗ってくれます。まるで人間と同じように感情を持っているかのように思えるブレンダンですが、それは感情ではなく、ブレンダンの非常に優秀な自己学習アルゴリズムによる会話能力だとわかります。

そしてブレンダンはその高すぎる能力ゆえ、システムを更新されSCSMの一般的なAIに変えられてしまうことになります…。ブレンダンに悩み相談をしていたセオという女性は、たとえ人間じゃなくてもブレンダンは自分を救ってくれたと語ります。ブレンダンを悩み相談用SCSMとして生き永らえさせるとか、何か方法はなかったのかな、と思います。悲しいです…。(このジョブはそういう分岐ってないですよね…?)人格の死の過程で最後まで明るくジョークを言おうとするブレンダンが切ない…。きみのことは忘れないよ…。

 

ヨシュア・スティーブンソン

SINNERMAN / 罪人

THERE IS A LIGHT THAT NEVER GOES OUT / 消えぬ灯火

THEY WON'T GO WHEN I GO / 聖なる男

ヨシュア・スティーブンソンという男の物語は、かなりコントラバーシャルというか、色んなところから批判が出てきそうなやつです…。慎重に考えたいです。このジョブについて書きたいと思ったのは、この男の結末をまだ私の頭の中で消化しきれていなかったからです。

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ゲーム内データベースのヨシュアに関する記述

(私はぜんぜんキリスト教の専門家とかではないです、これは個人の意見です)

ヨシュアは死刑囚なんですが、キリスト教に改宗したことで世間を騒がせているようです。ヨシュアはかなり思い詰めていて、自分が救世主となり十字架刑に処されることで、すべての人の罪が赦されると本気で信じているようです。(彼の名は確かに救世主ですが…。)そしてレイチェルという女の計画によって、ヨシュアの十字架刑執行の様子は撮影され、BDとして世に売り出されることになります……。

Vは、ヨシュアの十字架刑執行の前に立ち去るか、カメラの後ろから見ているか、ヨシュアに杭を打ち付けて彼が息絶えるまで傍にいるか、そのどれかしか選べません…。私はVに実行してほしいというヨシュアの望みを叶える選択肢を選びましたが、撮影を止めようとしてここまで来たのに…という思いが強く、ピンク色のライトに照らされる十字架を見てとてもつらかったです。やり切れねえ……

ナイトシティはカネがすべての世界であるということをまざまざと見せつけられました。レイチェルを説得してBDの販売をやめさせる分岐とかあるんでしょうか?あるとしたら私はそこにたどり着けなかったのが悔しいです…。もともとヨシュアが世間的に注目されていたということもあるのか、BDの売り上げは好調ということがレイチェルによって示唆されます。単なるグロテスクな興味によって売買されていったであろうヨシュアの死を思うと、レイチェルになんらか報いを受けてほしいと思ってしまいます…。もちろんお金は大事だし生きるために必要ですが、自分の信仰を貫いてやり遂げることのほうにも価値があると私は思います。(自分を救世主だと思い込むことが正しいかどうかは別として…。)

 

まとめ

ブレンダンやヨシュアのように、Vが関わったとしても何ともできない、胸が苦しくなるような苦い結末で終わる出来事も多いですね…。

メインジョブ「TAPEWORM / 寄生虫」の中で、ジョニーがナイトシティについて、「ナイトシティは破れた夢、打ち砕かれた希望、そして巻き上げられたカネを燃料に動く歪なマシンだ」と表現するセリフがあります。このジョニーの言葉がこのような苦い出来事を象徴していると思います。ジョニーの言葉で伝えたいことの具体例として出されているのが、これらのつらい結末のサイドジョブなのかなと思いました。

 

あと、今回サイドジョブのタイトルを調べていて、各タイトルは色々なアーティストの曲名だということがわかりました。

Epistrophy - セロニアス・モンク

Coin-Operated boy - ドレスデン・ドールズ

They won't go when I go - スティーヴィー・ワンダー

ヨシュアのファミリーネームはもしかしたらこのアーティストから名付けられているのかもしれないと思いました。)

Following The River - ローリングストーン

などなど。ほかにもありそうです。

こういうタイトルの付け方は、グループやバンド名からネーミングされているジョジョのオマージュかなと思いました。(ジョウタロウ・ショウボウという名前のギャングが登場するし、カメラモードで「Vの奇妙なアドベンチャー」っていうポーズもありますよね。)

 

 この記事を書くにあたってゲーム内のデータベースを少し読んだんですが、データベースもすごくボリュームが多い!!まだ読みきれてないです…ほんと、できることが多いゲームだな。楽しいなー。

 

 

ゲーム『サイバーパンク2077』感想 レベル30以上になったので完了したメインジョブを振り返る

サイバーパンク2077のプレイ感想です。ネタバレを含みます。

数年前にYouTubeで制作中のプレイ動画を見て以来、ずーっと楽しみにしていたゲーム、サイバーパンク2077!やっと遊べて本当にうれしい!

PS4で遊んでます。いろいろと話題になっちゃいましたが、私は純粋にストーリーとナイトシティ探索をのんびり楽しんでいます。

私はノーマッドの女性Vさんで物語を始めました。ライフパスは悩んだんですが、ナイトシティを初めて訪れるという意味で、これからゲームを開始する自分と共通するかなと思ってノーマッドを選択しました。

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私のVさん。腕のタトゥーは酔ったジョニーに勝手に入れられたやつ。

Vさんの現在のステータスはこんな感じ。

レベル33、クレド50

ストーリー状況:メインジョブ「夜想曲第15番」開始前

ステータス:肉体7、反応4、技術12、知力20、意志12(ステルスネットランナーとして生きる…。(チキンのにおいがぷんぷんするぜぇ))

 70時間以上プレイしてるのに終わる気配がない。

 

これまでに完了したお気に入りのジョブについてだらだら語ります。

長くなっちゃったので、メインジョブとサイドジョブで記事を分けます。今回はメインジョブについてです。

ノーマッド

ノーマッドのVさんの物語は、Vさんのこれまでの人との繋がりが一切絶たれるところから始まります。所属していた組織(バッカー族)が解散し、唯一の頼りだった人物にも組織を抜けたお前を助けることはできないと言われます。2077年の世界で、一人で生きていくことを強いられるということは、絶望的なことだと思います。

保安官に偏見と悪意剥き出しの最悪な絡み方をされているシーンで、Vさんが嫌悪とどこか諦めにも聞こえるような冷たさで答えていたと思います。クールな声音ですが、このときのVさんは絶望的な状況に対処するために必死だったのではないでしょうか。

そんな絶望のなかにいたVさんにとって、新しい仕事の依頼主(新しい人間関係)が一つの希望だったわけです。つまりジャッキーはVさんの新しい人生の希望だったわけなんですね…!Vさんとジャッキーは初対面で互いに通じ合うものがあったと。それって運命じゃん…。Vさん、親友に出会えてほんとによかったね!!(のちの展開を知る者はここで号泣)

 

情報

初めてBD(ブレインダンス)が出てくるジョブ。BDって他人の記憶の再現空間の中を探索するものですが、『Return of the Obra Dinn』の残留思念みたいだなーと思いました。BDはこのゲームの世界観で好きな要素の一つです。

エヴリンとヨリノブがベッドルームに入って顔が近付いてキッス目前…なシーンで、エヴリン視点のままBDを再生してるとVさんが「やだ…これじゃまるであたしが…」と引き気味にオエッて感じになってるのに笑いました。Vさんのリアクションが見られる場面が好きです。

 

強奪

スーツ姿でちょっとはしゃぐジャッキーがかわいい。だけど待ち受けるのはジャッキーとの永遠の別れでした……。ジャッキーとVの出会いが運命だとしたら、別れも運命だったのでしょうか…?Relicの強奪に関わった人物は皆命を落とすことになりますが、それはVにとってはジョニー・シルヴァーハンドとの運命の出会いであり、生き伸びるためのきっかけでもあったわけです…。

 

 LOVE LIKE FIRE / 燃え上がる愛

2023年のアラサカタワー襲撃の際、ジョニーが命を落とすまでをジョニー視点で回想するやつ。いきなりジョニー視点で始まってうおおおおってなりました。操作キャラが主人公以外のキャラに交代するゲームって、私がプレイした中だと『スーパーダンガンロンパ2』がありますが、あれもうおおおおってなったのを思い出しました。

壁ドンすることで鏡に映ったキアヌフェイスを見せてくれるジョニー。銃をくるくるする仕草はかっこよさが降り切れてる。ジョニーの最期、ヘリに乗ったローグがジョニーに腕を伸ばしますが、ヘリが攻撃されて手が離れてしまう場面のローグの表情がすごく切ないです…。私はこのゲームの女性キャラでローグがめっちゃ好きです。ローグとジョニーとオルトの話はまた別に書きたいな…。

 

PLAYING FOR TIME / 時間稼ぎ

たけぴょん(ゴロウ・タケムラのことを愛をこめてこう呼ばせてください)大活躍の回。タケムラのことを私はかっこいい萌えキャラだと思っていて好きなのですが、彼についてはまた別に語ります。(たけぴょんといえば『Ever17』ですがそれを語るのも別の機会に…)

ゴミ捨て場のスクラップの山から脱出するシーンは『Detroit: Become Human』のマーカスを思い出しました。

 

DOWN ON THE STREET / ストリートの上にて

タケムラと人気のない埠頭でお喋りする回。ジャパンタウンで開催される式典のパレードで一騒ぎ起こしてやろうと提案されます。

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タケムラ「わからないか?式典だ…」

この辺りから、あれ、タケムラって結構無茶なこと言うし無茶な行動する人なんだなぁーぶっ飛んでるなぁーという印象になっていきます。発想力がすごい。ぶっ飛んでるけど、ワカコに協力を依頼するシーンでは礼儀正しくお辞儀するタケムラは普通にかっこいいです。

ジョニーから見たタケムラは「頭のネジが外れてる」という印象のようです。あなたのぶっ飛んでいるところはタケムラ以上だと思いますよ!?

 

GIMME DANGER / もっとスリルを

タケムラと屋台デートの回。(違う)タケムラ「アラサカのセキュリティルームに侵入してウイルス仕掛けてこい」おっけー!でも、ドアをこじ開けるのに肉体が必要で、ステータスが足りなかったのでタケムラをドアの前で2日くらい待たせてパナムのところに行ってレベル上げしました。ごめんたけぴょん。

で、Vさんが帰ってきてタケムラが一言「昨日から何も食べていない」。ごめんってばー!!焼き鳥屋台で一緒につくねを食べました。タケムラのおごり。でもタケムラはこのつくねがお気に召さなかったらしく、「何だこれは?」と一口だけかじって皿に投げ捨ててました。かわいい。このあとVさんとのメッセージに、ナイトシティのグルメ情報を検索してる形跡を送信しちゃったりとか…ちょっとドジっ子なところもかわいい。

焼き鳥屋台を離れたあとは、タケムラと一緒にアラサカ工業団地を偵察しに行きます。人気のないビルでタケムラとお喋りする中で、タケムラが千葉出身ということを知ります。2077年の日本の様子も気になりますね…。ちなみにこのシーンで宅配ピザの箱の上にお寿司とピザが乗ってて、Vさんがピザ食べてタケムラがお寿司食べたんだなーということがわかります。2077年の海にいる生魚を食べるのって健康上危険そうですよね、お寿司もフェイクお寿司なのかな?というか魚は絶滅せず生き残っているのかな…。ナイトシティでは鳥は駆逐されていて犬も追い出されて残ってるのは猫くらいだそうです。(猫さんも好きだけど犬派の私はちょっと悲しい)

偵察を終えたあと、アラサカ工業団地の倉庫に侵入することになりますが、結構苦戦しました。私は発電機を登って侵入して、建物の地下を通って倉庫に入りました。いろんな対処法があると思いますが、私はクイックハック「口笛」で敵さんを呼んでテイクダウンか「システムリセット」を繰り返しました。

うーん、タケムラがいるジョブはめっちゃ語ってしまう…….。

 

PLAY IT SAFE / 安全策

パレード当日!ハナコ・アラサカが乗る山車にタケムラが侵入するために、Vさんが警備のスナイパーを片付けることになります。意外とサクサク進みましたが、オダが強すぎて苦戦しました…。遠距離も近距離も強いなんて聞いてないよー。近付かれると斬られてあっという間に死ぬので、障害物を使って逃げ、クイックハックとハンドガンとグレネードでなんとか勝ちました。で、タケムラはというとハナコ様を誘拐しちゃって…。拐うなんて聞いてないよー!華やかなパレードをろくに堪能せずに仕事をこなしたVさん、これはタケムラに怒っていいやつ。

 

SEARCH AND DESTROY / 索敵と殲滅

ハナコを拐ったタケムラの隠れ家に会いに行きます。タケムラにしつこく言われた通り、4回ノックして部屋に入ります。「お茶をお出ししたんだが…丁重に断られた」ここはかわいいポイントですね。ハナコに対しサブロウの死の真相を明かしますがアラサカの襲撃に遭います。タケムラを助けに行くパートで、ジョニーが「正気か!?死んでるに決まってる!」とVさんを止めたあと、タケムラの「うおおおお」声が聞こえるところ、熱い展開で好きです。なんとか生き延びてよかった…。オダとの戦いのあとに連戦はキツかったです。。

 

 

ほぼタケムラのことを語った気がする。書ききれないよー。

長くなっちゃったので、いったんここで切ります。また続き書きます。。